今年初めてのカウンセリング。

最近の世界の情勢を
ニュースや新聞で見聞きして、

一体、自分には何ができるんだろう・・・

と考えているうちに、
だんだんと重苦しい気持ちに陥っていき、

私なんかには、何もできない・・・・・・


という気持ちになっていきました。

「私なんかには、何もできない」
という気持ちをじっと感じ続けると、
自分の中の深い深いところに
ある言葉が浮かび上がってきました。

『あんたに、できるはずがない』


という言葉。
２０数年前、まだ１０代の頃に
親から投げかけられた言葉です。

この言葉が投げかけられた状況から、
親が私のことを心配して投げかけた言葉だということは
私自身がわかっています。

しかし、
『あんたに、できるはずがない』という言葉。
その言葉の響き。
言葉そのものが
私の心に落とした重い重い影。

「私には、できないんだ。
　私は、そういう人間なんだ。」

この２０数年間、
私は
この影を消し去ることができずにいました。

この言葉を投げかけられた頃までは
自分のやりたいことを躊躇することはなかった。

無謀だと思えるようなことでも、
不安はあっても
できない、とは思わなかったし
やることを躊躇はしなかった。

でも、
この２０数年間
やりたいことがあっても、
「私にできるはずがない」と恐れ、
踏み出すことを躊躇するようになった。

そして
やりたいことをやっていても、
それは
『本当は、私には、できる』
ということを証明してみせるためでもあった。

カウンセリングで
この言葉とその後の２０数年間の話をして、
さらにはっきりしてきたことがあります。

『あんたに、できるはずがない』という言葉を
投げかけた親自身が
「自分には、できない」という意識を持って
自分ではコントロールできない
不本意な人生を送っていたであろうこと。

そして、
この言葉に内心強く反発しながらも、
私が無意識のうちに
親の人生をコピーしようとしてきたこと。

なぜなら
親の生きてきた人生の枠を出ることに
知らず知らずのうちに
罪悪感を持っていたからだということ。

私は
不本意な人生を生きる親を見てきて、
無意識のうちに、

自分が親より幸せになるわけにはいかない

という意識を強く持つようになっていたのです。

子供の幸せを願う親の方が多いですから、

「親より幸せになっちゃいけない、なんてことあるわけないじゃん」

と思われるかもしれません。

でも、
子供というものは
常に親を助けたい、親を理解したいのです。

親の姿を見て
その人生がどういうものなのかを感じると、
無意識のうちに
親と自分を同化しがちになります。
親自身も、子供と自分を同化しがちになります。

親が幸せに生きていないと感じた時、
子供は
自分が親より幸せな人生を送ってはいけないと
思ってしまうのです。

私は今さら
自分の育ち方をどうこう言うつもりはありません。
親にはとても感謝しています。
しっかりと育ててもらったと思ってますから。

何より
自分の人生は
自分で気づいて
自分で修正していくものだって思ってますから。

先生から言われました。

「親を見捨ててください。

　そして、
　親を見捨てる自分を許してください。」

　

親を見捨てる。

それは
親を責めて、捨て去るということではなく、
姥捨ての意味でもなく、
縁を切れということでもなく、

自分がずっと見てきた親の生きてきた人生の在り方、
その人生の背景にある親の意識や価値観、
そこから生まれた
自分の罪悪感や劣等感や誤った人生観を

今、捨てる、ということです。

そして、そこから
親の人生のコピーではない
本当の意味での
自分の人生を歩んでいくということです。

「藤田さんが、先を行くんです。

　率先して、自分の人生を生きるんです。

　その姿を見て、
　お子さんが後をついてきます。

　親が自分の人生を生きる姿を見て、
　お子さん達も
　自分自身で自分の方向性を決めて
　自分の人生を生きるようになっていくんですよ。」

私は、
自分の人生を生きていきます。

自分の幸せを見つけ、生きていきます。

私には、それができるんです。

そして、
次の世代に
自分自身の人生を生きる意味と幸せを
確実に手渡していこうと、

あらためて
心に決めたのでした。

 

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