Yahoo UK & Irelandを見ていたら、
目に飛び込んできたのがこのニュース(リンク貼ってます):
『溺死した人の幽霊か?
アイルランドのトンネルを走る姿をトラック運転手が目撃』
Is this the ghost of a drowned man?
Lorry driver spots spooky figure running through a tunnel in Ireland
トラック運転手さんがトンネルの入り口で
同乗者に写真を撮るよう頼み、
後で見てみてビックリ、
『写真を撮った時には見なかったはずの、
(ドラマの)「ダウントン・アビー」の時代のようなコートを着た男性が
写真に写りこんでいた』
と。
写真も見ても、
私にはなんとも判断つかんわ・・・・・って感じだったんですが。
この写真はアイルランドのニュースですが、
イギリスもそもそも
ゴースト・ストーリーの多いお国柄。
私達が住んでいたBathという街も
いろいろと有名なゴースト・ストーリーがありました。
小さい頃から
何より幽霊がこわい私、
幸い、イギリスでどなたにもお目にかからなかったけど、
ちょっとドキッとしたことが2回。
そのうちのひとつを。
Bathから車で1時間余り走ったカントリーサイドに、
『イギリスで最もロマンティックな廃墟』と呼ばれる
Old Wardour Castleという、廃墟のお城があり、
一般公開されています。
イギリスには、こういう廃墟が実に多いんです。
そして、
なぜか私はイギリスの廃墟巡りが大好きで。
(・・・・・郷愁・・・・・?)
このOld Wardour Castle、
歴史は13、4世紀に遡り、
フランスの建築様式を取り入れた
当時としては、最新モードの見事な城だったらしいです。
が、17世紀のクロムウェルの清教徒革命の頃に
城主が王党派についたので、
クロムウェル側の攻撃に遭い、
城は半分ほど壊されてしまいました。
城の正面と、
実はこのお城、ハリウッド映画の
「ロビン・フッド」(ケビン・コスナー主演)の一部を撮影した場所です。
チケット売り場のおばちゃんに映画のどの部分を撮影したのか訊くと、
撮影風景の写真を出してきて
いろいろ説明してくれました。
ロビン・フッドが元々住んでいた城という設定で、
比較的保存状態の良い正面玄関側に木造でセットを組んで
城の襲撃シーンなどを撮影し、
襲撃後の破壊された城の光景には
実際に壊れている側を撮影したそうです。
私がこの映画でよく憶えているのは、
ロビン・フッドの父親が襲撃されて
カゴのようなものに入れられて吊るされ、白骨化しているのを
城に戻ってきたロビンが発見するというシーンですが、
このシーンもこの城で撮影したそうな。
このカゴも写真に写っていて、こわかったです。
撮影されたのは確か1991年くらい、
週末しか城を一般公開していなかった時期に、
平日5日5晩ぶっ通しで撮影したとのことです。
で、
ふと思い立って、
「この城には幽霊出るんですか?」
と軽い気持ちで訊いてみると、
おばちゃんは待ってましたと言わんばかりの笑顔で
「ええ、もちろん!!」
なぜか、NOという返事を予想していた私は、内心ギョッ。
「今年の3月にはね、
イギリス幽霊協会から調査団が来て、
城で一晩過ごしてね、お墨付きも出たのよ」
と、おばちゃんは飾っている認定証を指差し、
「まずは、城が壊された時に城を守っていた城主夫人でしょ、
それから王党派の貴族が二人、
それからお坊さんが出るわ」
これだけで、私には十分こわいのですが、
おばちゃんはこの手の話が楽しくてたまらんらしく、
「調査団が来た時もね、
一人は何も見えなかったらしいんだけど、
この人の後ろに城主夫人が立ってるのが
もう1人には見えたらしいのよね」
そろそろ逃げ出そうかなと思っていたら、
「ここに来る観光客もね、時々、
誰もいないのに服を引っ張られたとか、
灰色の服を着た男とすれ違って肩をたたかれたけど
振り向くと誰もいなかったとかって報告してくれるのよ。
夜じゃなくって、昼間の話よ」
私のひざは、もうカクカク状態で、
訊かなきゃよかった、
英語がわからなきゃよかった、とまで思う始末。
でも、おばちゃんは楽しそうに
「でも、私は何も見たことないのよね~」
と笑っていました。
後で、イギリスの歴史雑誌を読んでいたら、
イギリス幽霊協会の人が目撃した城主夫人は
この廃墟の城から少し離れたところにある教会の墓地に
埋葬されているとのことでしたが・・・・・
夫の留守を任され、
おそらくはわずかな手勢で城を守られねばならなかった
城主夫人
、
どんな気持ちだったのだろう。
クロムウェル側に降伏した時、
どんなに悔しかっただろう。
彼女の気持ちは
まだ、このお城の中にあるのかもしれませんね。
彼女は、この窓から
お城を包囲する敵を見ていたのかもしれないなと
考えると、
かつてのこわさが
なんだか
切なさに変わりました。
彼女の魂が
安らかでありますように。
歴史に翻弄されたこのお城も
同じでありますように。
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☆参加費:基本のお話から・2500円
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