今、ドラマになっている

亡き日本の大スターの思い出のお話、

再アップします

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私、
大学生の頃
学内の混声合唱団に入ってまして、

３回ほど
合唱団有志での『お歌のバイト 』を経験しました。

ひとつは
NHKの歌番組で
イギリスの歌手、シャーリー・バッシー
（ずっと前に００７の主題歌歌った人らしい）の
バック・コーラス。

もひとつは
池袋のサンシャインでの
クリスマス・キャロル
ルー大柴さんが司会だったわ。

もひとつが
ある方のCD発売の記者会見での
バックコーラスだったんですわ・・・・・・・・・

先輩団員にくっついて
記者会見の会場のある場所に行きました。
今となっては、
それがどこなのか全く記憶がありません。
誰の記者会見かって、
確か名前も聞いたんだけどいまひとつピンとこず、

「バイト代もらえるんならいいや 」

みたいなノリだったんですね。

女子は白ブラウスに黒のロングスカート、
男子も舞台衣装のジャケット着込んで、
舞台裏で待機していると、
とてもきれいな白髪の
（『しらが』ではなく、『はくはつ』と読んでいただきたい）
男性が現れました。

そして、
私達大学生に向かって
とても丁寧に
「今日はよろしくお願いします」
と挨拶をしてくださったので、

ああ、今日の記者会見って
この人のなんだ、って思いました。

記者会見の会場に入って並び、
事前に言われていた通り歌い始めたのは
モーツァルトの『Ave verum corpus』。
静かな、厳かな感じの小曲です。

居並ぶ記者の人達を見ながら、
これからどーなるんかなって
のんきに考えていたら・・・・・・

さっきの上品な白髪の男性が入ってきて、

音楽が流れ始めて、

その男性が

踊り始めました。

スイスイスーダララッタ

　　　スラスラ　スイスイスイ

私達のほんの数メートルちょっと先くらいで、

あの
上品な白髪の男性が、

満面の笑みで、

平泳ぎよろしく腕を回して、

踊ってる・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そう、

この男性、

植木等さんだったんです

もう、
目の前の踊りに
笑いをこらえるのが必死で、
私はほぼ窒息寸前

植木さんのCD：『スーダラ伝説』発売の記者会見、
この光景がテレビで流れるのかもって思って
笑わないよう必死なのに、

植木さん、

「君達も歌って！」

えっ
って、言われてもっ、
スイスイ・・・・・・

無理無理無理無理、

ぜったい無理！！！

死にそうなくらいおっかしいやら
息が詰まりそうで苦しいやらで、
全身がよじれそうになったまんま
記者会見終わりまして、

植木さん、
バックコーラスを務めた私達、大学の合唱団の紹介も
ちゃんとしてくださって、

私が
それまでろくに知らなかった（ごめんなさい ）
植木等さんの大ファンになった瞬間でした。

大スターになっても、
裏方の一介の大学生達に
きちんと挨拶をしてくださり
紹介もしてくださって労をねぎらってくださった
植木さんの姿勢。

あれから２０年以上経って、その間に植木さんも亡くなられてしまったけれど、
私、忘れることができません。